こんにちは & はじめまして。iPhone開発が得意なzerowiredと申します。
今回はiOSのライブラリを簡単に導入・管理できるCocoaPodsの使い方について、
グラフライブラリCorePlotを例にご紹介します。
(CorePlotはiPhoneアプリでグラフを描くためのライブラリです。)
■ CocoaPodsで何ができる?
オープンソースのライブラリを使う際は通常であれば- ライブラリのダウンロード
- ヘッダファイルの参照設定
- ライブラリの参照設定
- 必要なフレームワークの設定
- コンパイルオプションの設定
プロジェクトでは一度だけの作業ですが、結構面倒な作業です。
CocoaPodsを使った場合
- CocoaPodsの設定ファイルを書く
- コマンドを実行する
ライブラリの取り込みがかなり省力化されます。
■ CocoaPodsのインストール
これについては色々な所で語られておりますので、コマンドだけ紹介します。ターミナルから、以下を実行するだけです。
$ sudo gem install cocoapods
CocoaPodsを使う準備ができたら、プロジェクトにライブラリを追加してみます。
ここではCorePlotを取り込むものとして説明します。
まずは、ライブラリを利用するプロジェクトを作成してください。
この説明ではSingleViewのアプリケーションプロジェクト"Sample01"があるものとして、そこにCorePlotを取り込みます。
■ PodFileの作成
作成したプロジェクトの.xcodeprojが置かれている階層に"Podfile"という名前でファイルを作ります。Podfileに書かれた設定でCorePlotはライブラリを導入してくれます。
platform :ios, '7.1' # サポートプラットフォーム
xcodeproj './Sample01.xcodeproj' # ライブラリを利用するプロジェクト
pod 'CorePlot', '~> 1.5' # CorePlot
1行目、2行目の説明は割愛します。
3行目の"pod"で始まる行は、自分の使いたいライブラリの設定を記述します。
書く内容はcocoapodsのサイトで下図のように取得できます。

■ ライブラリの取り込み
ライブラリを取り込むには、ターミナルでPodfileをおいた階層で、次のコマンドを実行します。$ pod install
これだけで、ライブラリを取得し、プロジェクトの設定を変更してワークスペースを作成してくれます。
コマンドをタイプした後のAnalyze dependencies から Downloading dependencies になるまでは、かなり時間がかかります。
環境にもよると思われますが、今回の例では13分ほどかかりました。

下図のワークスペースをX-codeで開くと、取り込んだライブラリとともにアプリケーションをビルドする環境が整えられます。
この後の作業では元々のxcodeprojではなく、このワークスペースのファイルを開いてください。

ワークスペースを開くと以下の図のようになります。

取り込んだCorePlotは"Pods"プロジェクトに追加されます。
アプリケーションでは"Pods"プロジェクトが生成するライブラリを参照する事でCorePlotを使える仕組みです。
元々の xcodeproj (Sample01) には、コンパイルオプション変更、CorePlotのヘッダを参照するためのインクルードパス追加、"Pods"のライブラリへの参照追加など行われます。
これにより、Sample01をビルドする事が出来るようになります。
以上が、"とりあえず" CocoaPodsを使う流れです。
次の機会では、CorePodsを使う上で「少し考えないと」と思った点を整理できればと思います。
インクルードパスとか…
■記事作成環境
OS : OS X 10.9.2(13C64)
X-Code : Version 5.1.1 (5B1008)
RubyGems : version 2.0.3 (要 command line tools)